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| 2003年(平成15年)2月7日中部経済新聞 |
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| 日本で果たせなかった業界ナンバーワンを実現する? |
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| 「新規ユーザーを獲得したい」「低コスト商品を輸入し、日本で拡販する」等々。 |
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| 海外進出する企業の大半は、明確な経営目標を掲げている、はずである。 |
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| ソフト開発や外国語学校の経営、翻訳、通訳サービスなど多岐に渡る事業を展開する、 |
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| ティーチャーター(本社名古屋東区泉一/一四/三、電話052-972-8983、松永直人社長、 |
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| 年商一億円)のソフト開発担当者宮下江里子が中国浙江省杭州市にFA(制御系)ソフトの開発企業 |
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| 「杭州超海科技有限公司」を設立したのは昨年の八月。 |
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| 設立理由はこれまでになく面白い。 |
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「收益シルクロードで風化している遺跡の保護費用に充てたい」。真剣な表情 |
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| で話す宮下、彼女は一九九○年夏、日中文化交流隊員に選ばれ、初めて憧れの |
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| シルクロードに足を踏み入れた。以降、ニヤ遺跡を始めとするシルクロードの |
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| とりことなる。「二カ月間現地に留まり、砂漠に埋もれる遺産を見つめつつ、 |
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| 中国の懐の深さを再認識できた」と振り返る。遺跡保護に必要な資金は邦貨で |
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| 約百億円といわれ、全面支援は諦めたものの、「何らかの形で保護にかかわり |
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| たい」との想いを強くする。 |
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| 会社の理解もあり、三百万円を個人出資し、資本金一千万円でFAソフト開発会 |
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| 社を浙江省に設立、自身は日本の取締役に相当する董事長に留まり、社長であ |
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| る総経理を含め、常勤スタッフ全員を中国人で固める。收益は遺跡の保護修復 |
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| に使いたい、と言う宮下だが、経営に関しては自らの方針を貫いている。 |
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| 「女性であるが故に前職(大手ソフト開発メーカーに勤務)でも正当に評価されているのか、考えさせ |
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| られたことが何度もあった。この疑問を中国法人に置き換えた。懸命に仕事をしつつも、いつの間にか |
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| 上司として日本人が送り込まれてくる。これで、中国人スタッフのモチベーションを維持できるのか」。 |
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| 自らの経験を生かした人材配置といえそう。 |
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| 浙江省.杭州市に決めた理由は上海から鉄道で二時間という利便性に加え、北京、大連などと並ぶ中国の |
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| IT重点発展十大都市のひとつであり、各種優遇策に恵まれ、人材確保も容易なこと。 |
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| 「学園都市で中国全土から優秀な学生が集う。日本では確保が難しい技術系に人材も豊富」と“決め手” |
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| を話す。取引先は設備機器や自動車、工作機械部品メーカーなど日系進出企業であり、 |
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| ソフト開発も生産設備の制御系(FA)に絞っているだけに圧倒的に大手が多い。現地ローカル企業との |
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| 決済トラブルは珍しくないだけに、結果的に危険回避につながっている。 |
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| 「今後も、現地で使用するシステムの開発は現地で行う」と言い切る。 |
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| 初年度の売上高見込みは四千万円程度。「利益はトントンかな。二年目は売上高一億円が目標。」と |
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| 笑顔を見せる宮下、「一刻も早く報酬の一部を遺跡保護に寄付したい」と目を輝かす。 |
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| (敬称略) |
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